大好きなスコッチグレインは意外にモデルが多く、型番だけではどんなシリーズなのか分からないものも見かけます。今回修理する「3486」も私の検索力では正体を調べることが出来ませんでした(汗)
修理前の状態はこんな感じでした
中敷きを見ると、伊勢丹の別注モデルのようです。黒いインナーが渋いです。

靴底も真っ黒の「カラス仕上げ」だったようですが、見る影もありません・・・・ここまで摩耗が進むと、履き心地にも影響していたと思われます。

早速、ソールを剥がします
部分的にだし縫いの糸が完全に切れていたりして、縫いを解くのに時間が掛かりました。結局、糸をバラバラに切ってから一目ずつほじくって取り除くことにしました。

ソールを剥がしてウェルトに残った糸を全て取り除いてスッキリした状態です。中もの(EVAスポンジ)は再利用できませんので取り外しました。一方、土踏まずから後ろのシャンクはしっかりと付いていましたので、温存することにしました。

中ものを詰めます。今回は「革シャンク」に挑戦です。
外した中ものを型紙代わりにして板コルクを切り出し、貼り付けました。リブテープとの段差が無くなるように外周を削ってあります。
意味がないかも知れませんが、コルクはハンマーで叩いて目を詰めておきました。

今回の目玉「革シャンク」です。底面の土踏まずをモッコリさせるのが目的です。剥がしたソール(本底)を再利用して、粗く切り出したのがこの状態です。もともと貼り付けてあった位置に戻すことになります。

周辺との段差を解消しつつ目指すモッコリも見据えて、革シャンクの外周が薄くなるように漉きます。これだけで見た目が「それらしく」なりました。
かのエドワードグリーンにも革シャンクが使われたものがあるようですね

さらにガラス片を使って滑らかな形状に整え、木ヤスリを掛けて接着できる状態にしておきます。最終的に、リブテープからモッコリの頂上までは6mmくらいの高さになりました。ソールを貼り付けた時に現れる形が楽しみです。
ソールの革を切り出すための型紙を取って、準備完了です。
最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。

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