Berwick バーウィック セミブローグの革靴を自分でオールソール交換 その2 中ものと本底編

本底の計画
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修理は組立て側の作業に入っていきます。本底と中底の間を埋める「中もの」にはクッションのような役割がありますが、完成時に靴底の凹凸を美しく演出する機能もあると私は考えています。バーウィックは良い靴ですが、靴底の凹凸に自分の好みを表現するために、オリジナルと異なる中ものを入れます。

「中もの」にチョットした仕込みをします

土踏まず~かかとの中ものはオリジナルコルクから革に変更します。新聞紙を使って取った形に合わせて、剥がした本底を切り出します。

この部分の本底は接地しませんので、ほとんど新品です。そのまま捨てるのは勿体ないですよね。

革シャンクの切り出し
万能ハサミでギリギリ切れる硬さです
価格は手頃ですが、1本あると意外に重宝します

現物合わせで形状や厚みを調整してから、両面を木ヤスリで荒らして接着の下地を作っておきます。

革シャンクの整形
見えなくなりますが、ロゴを残してみました

貼り付けました。スッポリ収まっています。

革シャンクの取り付け
前端部はスロープ状に削ってあります

残った前半部は、板コルクを貼って削ることで「みっちり」と埋めます。

4ミリだと貼り重ねが必要になることがあり、5ミリだと削り粉が結構な量になります・・・
コルク詰め
気持ち良くて、ついつい削り過ぎてしまいます(笑)

本底を貼り付けます

本底との接着面、特にウェルトは古い接着剤をキチンと除去しておきます。毛羽立った状態にして、いわゆる「アンカー効果」を引き出すためです。

ウェルトの掃除
手前側が毛羽立っているのが伝わりますでしょうか?

今回は靴が大きいので本底用の革を切り出す必要がありませんが、この後の細工がしやすいように、こちらの記事でご紹介した方法で型紙を起こしました。

魚拓
用意した革がギリギリでした・・・

目印の線を引きながら本底の設計(?)をして、加工を入れます。

土踏まずが華奢に見えるのが好みですので、コバが薄くなるように3ミリの厚さまで漉いておきました。

靴底側のモッコリを高くするという効果も狙っています

加工が終わったら、接着する箇所を木ヤスリでしっかりと荒らします。

本底の下処理
木材の角を利用してヤスリを掛けます

ゴムのりを塗って乾かしてから水を付けて柔らかくして本底を貼り付けます。

最近は、この工程で靴底の凹凸と滑らかさを決めるように心掛けていますので、こくり棒で擦っている時間がドンドン長くなっているような気がします・・・

土踏まずのモッコリも狙い通りになりました

本底の貼り付け
汗をかきます

靴底面の形が決まったら、コバを別たちで切り回して整えます。ウェルトを削らないように、でもギリギリまで追い込むようにしています。

オルファ(OLFA) 別たち 幅45×高さ160×奥行き19mm 56B
切る、裁つ、そぐ、はがす、削るなど、幅広い用途に使える替刃式皮たちです。 特に革や樹脂シートのカットに。 刃幅43ミリ。
コバの切り回し
別たちをうまく研げた時は、作業が楽しくなります

このあたりまで作業が進むと、思いが入るのと同時に、靴全体がシャンとし始めるように感じます。

そうやって気持ちが盛り上がった頃に「だし縫い」を迎えるのは、毎度ワクワクします。はやる気持ちを抑えつつ、今回はここまでです。

最後まで読んで下さいまして、本当にありがとうございます。

切り回し完了
作業の手汗で?革が元気になって行くような気がします(笑)

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