Berwick バーウィック セミブローグの革靴を自分でオールソール交換 その3 だし縫い編

縫い上がり
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最初にトゥスチールの溝を加工しました

簡単そうで難しい、トゥスチールの取り付けです。

今回は、収まる溝の深さを正確に加工することを優先して、ドブ起こしの前に作業してみました。起こしたピラピラに惑わされることなく、必要な深さをキッチリ削ることができました。

LULUというフランス製のものが有名でしたが、廃盤になり最近は国産で復活しています。私が使ってみた感じでは、品質が良くなっています。

削り終わったら、現物合わせで取り付けネジの位置をマークしておきます。

トゥスチールの溝
どうかな~

続いてドブ起こしとだし縫いの準備です

満を持しての(?)ドブ起こしです。新しい替刃を下ろしましたので、軽い力で作業することができて仕上がりもまずまず・・・・と言ったところです。いつものことですが、刃物は切れが命ですね。

つま先のドブ起こしが無いと、プレッシャーが減ります

ドブ起こし
汗の量も少なめで済みました
研ぐより替えた方が速いです・・・

だし縫いの糸が収まる溝(チャネル)を掘りました。

つま先はトゥスチールの取り付けネジを避けるように蛇行させてみました。手縫いならでは、のやり方だと思います。

溝掘り
手作業は融通が利くのです(笑)

だし縫いの基準となるウェルトの縫い穴を銀ペンでなぞっておきました。これを目印にだし針を突き刺します。

縫い穴をマーキング
コレやっても見えなかったりします

いよいよ「だし縫い」に入りました

縫い始めて調子が出てくる前に、ナイロン針が取れてしまいました。糸を巻き付けすぎて太くなった部分が、縫い穴を通る時に擦り切れたのが原因だと思われます。

相変わらずの難し楽しい作業です。

毛針が外れた
またスランプです

針を付け直して再スタート。少し落ち込んでいる中でも、気持ちを切らさないことが重要です。

せっせとだし縫い
メッシュベルトは「わげさ」の代用です

少し時間が掛かりましたが、ワイヤー針が取れることは無く、無事に縫い終わりました。

だし縫いのステッチを見ると、ピッチが広めであることに加えて、縫い目とコバの間(=マージン)が広いことが特徴的です。

オールソール修理をする時には、コバを整えるために少しずつウェルトが削られます。マージンを大きくしておくことでウェルト交換せずにオールソール修理できる回数を増やせる、という訳です。

かと言って、コバが凄く張り出していることもなくエレガントな雰囲気になっているのが、また素晴らしいです。

無事に縫い終わり
粘りで縫い上げました

楽しかった「だし縫い」も、ドブ伏せをして終わりです

ドブ伏せの接着面は#60の紙やすりで、しっかりと荒らします。

しっかり荒らす
最近ダイソーで見かけなくなりました

ゴムのりを薄くムラなく塗って乾燥中。

ゴムのりは薄くムラなく
さらば愛しのステッチ達よ~お達者で!

伏せる前に、革を柔らかくするために水を付けておきます。しっかり濡らし過ぎたためか、一部の接着面に水が回ってしまい、接着に少し苦労しました。

水で濡らして
何事も塩梅が大事ですな

ドブを伏せたら、底面全体が滑らかでグラマラスな曲面(笑)になるように、こくり棒でゴシゴシと整形します。本底を貼り付けた時に整えてあるのですが、ドブ起こしやだし縫いで変形していますので、なかなか大変な作業になります。

楽しかった前半の目玉工程はこれで終わりです。次は、いつもの地味回「ヒールの積み上げ」の予定です。

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

ドブ伏せました
ふぅ~と言ってます

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