最初にトゥスチールの溝を加工しました
簡単そうで難しい、トゥスチールの取り付けです。
今回は、収まる溝の深さを正確に加工することを優先して、ドブ起こしの前に作業してみました。起こしたピラピラに惑わされることなく、必要な深さをキッチリ削ることができました。
削り終わったら、現物合わせで取り付けネジの位置をマークしておきます。

続いてドブ起こしとだし縫いの準備です
満を持しての(?)ドブ起こしです。新しい替刃を下ろしましたので、軽い力で作業することができて仕上がりもまずまずと言ったところです。いつものことですが、刃物は切れが命ですね。

だし縫いの糸が収まる溝(チャネル)を掘りました。
つま先はトゥスチールの取り付けネジを避けるように蛇行させてみました。手縫いならでは、のやり方だと思います。

だし縫いの基準となるウェルトの縫い穴を銀ペンでなぞっておきました。これを目印にだし針を突き刺します。

だし縫いの針は、ナイロンの釣り糸(テグス)を使います。チャンを引いた麻糸をほぐして巻き付けることで固定します。

いよいよ「だし縫い」に入りました
縫い始めて調子が出てくる前に、ナイロン針が取れてしまいました。糸を巻き付けすぎて太くなった部分が、縫い穴を通る時に擦り切れたのが原因だと思われます。
相変わらずの難し楽しい作業です。

針を付け直して再スタート。少し落ち込んでいる中でも、気持ちを切らさないことが重要です。

少し時間が掛かりましたが、ワイヤー針が取れることは無く、無事に縫い終わりました。
だし縫いのステッチを見ると、ピッチが広めであることに加えて、縫い目とコバの間(=マージン)が広いことが特徴的です。
かと言って、コバが凄く張り出していることもなくエレガントな雰囲気になっているのが、また素晴らしいです。

楽しかった「だし縫い」も、ドブ伏せをして終わりです
ドブ伏せの接着面は#60の紙やすりで、しっかりと荒らします。

ゴムのりを薄くムラなく塗って乾燥中。

伏せる前に、革を柔らかくするために水を付けておきます。しっかり濡らし過ぎたためか、一部の接着面に水が回ってしまい、接着に少し苦労しました。

ドブを伏せたら、底面全体が滑らかでグラマラスな曲面(笑)になるように、こくり棒でゴシゴシと整形します。本底を貼り付けた時に整えてあるのですが、ドブ起こしやだし縫いで変形していますので、なかなか大変な作業になります。
楽しかった前半の目玉工程はこれで終わりです。次は、いつもの地味回「ヒールの積み上げ」の予定です。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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