【実験してみた】革靴のコバを思った通りの茶色に仕上げるために・・・

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コバは靴の印象を大きく左右しますよね。
黒光りするのがイギリス紳士なら、茶色いコバはイタリアのお洒落男、と言ったところでしょうか?

これまで、私も何足か茶色いコバ仕上げに挑戦しましたが、思い通りの色を出せたことがありません。そこで、今回はテストピースを作って実験することにしました。

テストピースの作成

テストピースは本底材のハギレを使って作成することにしました。

普段使っている「普通の革」とBaker製のオークバークを切り出して、床面どうしを貼り合わせます。
以前に使った時に、オークバークはコバの色が思ったより濃く仕上がったことを覚えていたからです。

革の切り出し

貼り合わせてできた革のブロックのコバ面を切り揃えて・・・

コバ面の切り回し

いつも通りの手順で、ヤスリ掛けをして面を仕上げます。
と言っても、面積が狭いので作業は楽チンです。

角の仕上げが少し雑ながらも(笑)カワイイのが完成しました!

テストピース完成

染色・熱ゴテ

では、問題の色を入れて行きましょう。

その前に、コバ面には空ゴテを掛けておきます。いつもと全く同じ作業手順です。

空ゴテ

染色は、定番「早染めインキ」の コイチャ(濃い茶)です。
染め具合は、次の3種類を比較することにしました。

  • インキで染めない
  • 一度塗り(染め)
  • 二度塗り
早染めインキ
速乾性でキレイに染まります

熱ゴテで使う「コバワックス」は、「無色」と「濃茶」の2種類を試します。

今回の実験は、24種類の組み合わせ、ということになります。

種類の数内容
2普通、オークバーク
2コバ面、ギン面
インキ(コイチャ)3なし、一度塗り、二度塗り
ワックス2透明、濃茶
使ったワックス

いつもくらいの量のワックスを付けて、熱したコテで溶かし、革に浸透させました。

熱ゴテ

結果

まずは、写真から。
ワックスによる違いは見分けられませんでした。

大雑把ですが色を3段階に分けると、こんな具合に見えます。
分かりやすい茶色にしたいなら、インキは要らないんですね・・・・

普通の革インキ無し一度塗り二度塗り
コバ面こげ茶ほぼ黒
ギン面こげ茶こげ茶
オークバークインキ無し一度塗り二度塗り
コバ面ほぼ黒ほぼ黒ほぼ黒
ギン面こげ茶ほぼ黒ほぼ黒

おまけ

熱ゴテで浸透したロウを観察できないか、と思ったので・・・
※写真はインキを入れた方ですが、この後で「インキ無し」の側も切断しました

切断

インキ無しの部分の断面です。

浸透したロウの境界線が見えるかと思っていましたが、ハッキリとは分かりませんね。
実物を見ると、表面から1ミリくらいまで、わずかにツヤが強いので、意外に深く浸透しているようです。

断面

まとめ

以前から引っ掛かっていて、放置してきた疑問を晴らすことができました。
「考えて手を動かした分だけ気付きがある」というのは、モノづくりの醍醐味ですね!
これからも、趣味の靴修理をゆっくりと楽しみたいと思います。

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます!!
(実は、続きが・・・)

色見本

当然、「じゃあ、生成りはどうするんだ?!」という疑問が湧いてくるのですが、なんと教えてくださる方がいらっしゃるんですよね~ ありがたいです。

これも放置せずに実験してみないと・・・・

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