中底とは
こんなサイトをご覧になる方(笑)には釈迦に説法ですが、念のため断面図を載せておきます。
中底はリブ(テープ)と「中もの」にくっついていることがお分かり頂けると思います。中ものはコルク系ですので保持力は弱いため、中底を剥がすのは、ほぼリブテープから分離することを意味します。

実際に中底を剥がしていきます
大きめのマイナスドライバーを突っ込んで、押したり捩じったりしながら剥がしていきます。私はドライバーの先に少量のトルエンを付けて接着剤を溶かしながら作業しました。

1時間ほどで両足とも剥がせました。

中底を外した靴の内側です。
- 本底の中央に開いた穴
- リブテープ
- シャンク(木製でした)
が、普段見ることのない方向から見えています。リブテープの位置は残った部材で規制されていますので、このまま新しい中底をキチンと接着すれば、大きく形崩れさせることなく修理ができそうです。

ここでライニング修理をしました
新しい中底を取り付けたい気持ちを抑えて、小指の外側を中心に傷んでいるライニングの補修をします。パッチ状に切り出した柔らかい革をゴムのりで貼り付ける方法です。この時ばかりは靴底に大きく開いた穴がありがたく感じました。

新しい中底を取り付けます
外した中底を描き写して新しい中底を切り出しました。本底用の革と比べると柔らかく、簡単に切ることができました。

中底を貼る前に古いシャンクは取り外しておきました。中央の長方形は革で、土踏まずのモッコリを作るための部材のようです。これは再利用しようと思います。
写真はシャンクを「靴底側」から見た状態です。

リブテープと中底にゴムのりを塗って(写真を撮り忘れました・・・)いよいよ貼り付けます。
奥まで届く途中で接着すると面倒なことになりますので、金尺をつま先に当たるように差し込んでおいて、中底を入れるガイドにしました。「すべり台作戦」は成功でした!

台金とハンマーを使って、中底とリブテープを圧着すれば取り付け完了です。
中底の交換は初めての挑戦にも関わらず、特に大きなトラブルなく終わらせることができて一安心です。ですが、本当に作業が成功したかどうかは、この後の工程を進めてみないと分かりませんので、「何となく、いつも通り」的な気を抜いた作業をしないように気を付けようと思います。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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