ヒールを取り付けます
ヒールの取り付けに入る前に、コバに木やすりとガラスを掛けておきました。別たちで外周を切り回した時にできた凸凹が滑らかになるまで、根気よく作業します。

積み上げには『ナンポウ』と呼ばれる集成材を使いました。柔らかく刃物での加工がしやすいのが特長の一つです。貼り付けたら、はみ出した部分を切り回します。
ダブルソールで靴が重いので、軽量化も多少は期待できます・・・・

今回、かかと周りのウェルトの取り付けで少し無理をしました。その影響で、ヒールを取り付ける面に、いつもと違う複雑な傾斜が付いていました。
これを一枚目の積み上げを削ることで、水平な平面になるように修正します。削る量が多かったので、ナンポウにして正解でした。

オリジナルのヒール高さや、現状のトゥスプリングの具合から積み上げは一枚だけにすることにしました。トップリフトを貼る前にスクリュー釘を打ちます。
ナンポウの積み上げは、本革のように釘をたくさん打ち込んで密度を上げることはできませんので、固定だけを目的とした本数にしました。

トップリフトはVibram#5350です。貼り付ける直前に温めて、ゴムのりを熱活性化します。

コバを磨きます
ここからは、根気よくコバ面を仕上げます。目の粗いヤスリに時間を掛けて面を出すことが重要ですね。
ナンポウは深い傷が付きやすいので、目が粗い木ヤスリは使わないようにしています。ヒールを付ける前にコバに木ヤスリを掛けたのは、このためです。

#240の紙やすりまで掛け終わった状態です。ウェルト・ミッドソール・アウトソール・ナンポウ・ゴム、と硬さや性質の違う層からなるコバは均一に削ったり磨いたりするのに、とても苦労しました。
やすりを掛けていて、白っぽい部分が無くならない時には、一つ前の番手に戻ってやり直す必要があります。

コテを当てる前に、コバの上端に面取りを入れます。この面取りとコテの爪の関係が大事なようですが、まだ良く分かっていません(汗)

水で濡らしてから、ずぼらゴテをグッと押し当てて、コバの形を整えます。形も精度も全然甘いですが、それでもピシッとした感じは出ますね。

ヒールの前端(アゴ)も整えて一区切りです。この後は、熱ゴテを始めとした仕上げの作業に入ります。
最後まで読んで下さいましてありがとうございました。

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