スコッチグレイン F-9051 自分でオールソール交換 その3 本底とだし縫い

楽しいだし縫い
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スコッチグレインの革靴を、フィドルバック+ベヴェルドウェストにカスタム修理します。

この記事では、交換する新しい本底用の革に色々と加工を入れてから、本体に貼り付けて手作業で縫い付けていきます。

見た目の派手な作業が続きますので、やっていても単純に楽しい工程です。

本底の下準備をします

にべ」と呼ばれる繊維の粗い層は、そぎ落としておきます。

何となく接着剤が効きそうにないので、こうしていますが、落とさないとどうなるか?は実験してみないといけませんね。

にべの削除
少し気持ち良い作業です

この期に及んで問題発生です・・・

型紙や現物に合わせてみると、数ミリのレベルで本底の革が小さいことに気付きました。

ギリギリを狙って何とかできないか?も考えましたが、今回は潔く(?)継ぎ足してみることにしました。もちろん、初めての試みです。

本底の継ぎ足し
かなり迷いましたが・・・

若干の精神的ダメージを引きずりながら、本底の加工に入ります(汗)

フィドルバックにする土踏まずは4ミリの厚さに漉いておきました。前半部とのメリハリを出しつつ、中ものの「モッコリ」を靴底に投影するためです。

接着する部位は木ヤスリで荒らしてあります。

接着面の処理
コンパスは使ってないかも

靴底側は、ベヴェルドウェストの準備です。

型紙を使って、ドブ起こしの線を入れました。ウェスト部は起こす範囲が広くなります。

底面の処理
ここではコンパスを使ってます

今回は、本底を貼り付ける前にドブ起こしをする手順です。

最近購入した砥石で「別たち」をキンキンに研いでから作業したところ、相変わらずヘンな汗はかきながらも、クタクタに疲れることはなくなりました。

やはり、刃物をよく切れるようにしておくことが、すごく大事だと思います。

ドブ起こし
少しだけ調子に乗ってます

本底を貼り付けて、だし縫いの準備をします

本底を貼り付けて、コバをウェルトのギリギリまで切り回しました。仕上げヤスリ掛けする分を、わずかに残しておくイメージです。

ざっくり切り回し
いつも「茶色いコバっていいなぁ」と思います

次に、トゥスチールを取り付ける位置を掘り下げました。

勢いあまって少し削り過ぎたと思ったのですが、意外に収まり良く仕上がりました。中央付近はスチールの厚みより僅かに深く掘るくらいが良いのではないか、と思い始めています。

位置が決まりましたので、取付ネジの穴をマーキングしておきます。

トゥスチールの位置確認
コバからの出代は1ミリ未満にしてみました

トゥスチールの取付ネジを避けるように、だし縫いの溝を掘ります。コバから5.5ミリの位置に掘ってきた溝を、爪先だけ4ミリくらいになるようにずらします。

爪先の溝
まあまあ滑らかに繋がりました

ベヴェルドウェストの土踏まずは、ウェルト側から「だし縫い」の穴をいくつか開けてみて、その穴を基準に溝を掘りました。

ウェストの溝掘り
最後は現物合わせが強いと思います

ぐるっと溝を掘り終わりました。深さは1.3ミリ狙いです。

溝掘り完了
準備完了!!

だし縫いをします。これも次の作業の準備?

久しぶりのだし縫いに心躍っています。

だし縫い前のワクワク
つい撮ってしまう瞬間

土踏まずは、あらかじめ開けておいた下穴を頼りに縫い進めます。ウェルトの幅が狭いので、縫い穴開けには、すくい縫い用の針を使いました。

ウェルトに平行な方向に長い穴が開きます

ウェストのだし縫い
下穴作戦は成功でした

久々ということもあって、存分に楽しみながら縫い終わりました。そんな時はリズムよく作業ができますので、靴底側のステッチもキレイに仕上がるように思います。

裏側もまずまず
かかとの本底は後で付けます(汗)

ウェルト側のステッチもノーミスで縫えました。

縫い上がり
今の自分ができるベストの仕上がりです

ちなみに、このスコッチグレインはだし縫いのピッチが3.6ミリですので、7spi(stitch per inch)くらいですね。手製靴の世界では初心者に推奨される目の細かさのようです。

リンク先の”Fudge wheel”の段落です

だし縫いを満喫した後は、ドブ伏せが待っています。今回はベヴェルドウェスト加工をしますので、メインイベントが続くことになります。

実は、この時点でやらかしている・・・・・・・ことに気付きました。が、その顛末は次回に・・・

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

7spiくらいかな
ひそかに「ウィール」を物色しています

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