スコッチグレインの革靴を、フィドルバック+ベヴェルドウェストにカスタム修理します。
この記事では、交換する新しい本底用の革に色々と加工を入れてから、本体に貼り付けて手作業で縫い付けていきます。
見た目の派手な作業が続きますので、やっていても単純に楽しい工程です。
本底の下準備をします
「にべ」と呼ばれる繊維の粗い層は、そぎ落としておきます。

この期に及んで問題発生です・・・
型紙や現物に合わせてみると、数ミリのレベルで本底の革が小さいことに気付きました。
ギリギリを狙って何とかできないか?も考えましたが、今回は潔く(?)継ぎ足してみることにしました。もちろん、初めての試みです。

若干の精神的ダメージを引きずりながら、本底の加工に入ります(汗)
フィドルバックにする土踏まずは4ミリの厚さに漉いておきました。前半部とのメリハリを出しつつ、中ものの「モッコリ」を靴底に投影するためです。
接着する部位は木ヤスリで荒らしてあります。

靴底側は、ベヴェルドウェストの準備です。
型紙を使って、ドブ起こしの線を入れました。ウェスト部は起こす範囲が広くなります。

今回は、本底を貼り付ける前にドブ起こしをする手順です。
最近購入した砥石で「別たち」をキンキンに研いでから作業したところ、相変わらずヘンな汗はかきながらも、クタクタに疲れることはなくなりました。
やはり、刃物をよく切れるようにしておくことが、すごく大事だと思います。

本底を貼り付けて、だし縫いの準備をします
本底を貼り付けて、コバをウェルトのギリギリまで切り回しました。仕上げでヤスリ掛けする分を、わずかに残しておくイメージです。

次に、トゥスチールを取り付ける位置を掘り下げました。
勢いあまって少し削り過ぎたと思ったのですが、意外に収まり良く仕上がりました。中央付近はスチールの厚みより僅かに深く掘るくらいが良いのではないか、と思い始めています。
位置が決まりましたので、取付ネジの穴をマーキングしておきます。

トゥスチールの取付ネジを避けるように、だし縫いの溝を掘ります。コバから5.5ミリの位置に掘ってきた溝を、爪先だけ4ミリくらいになるようにずらします。

ベヴェルドウェストの土踏まずは、ウェルト側から「だし縫い」の穴をいくつか開けてみて、その穴を基準に溝を掘りました。

ぐるっと溝を掘り終わりました。深さは1.3ミリ狙いです。

だし縫いをします。これも次の作業の準備?
久しぶりのだし縫いに心躍っています。

土踏まずは、あらかじめ開けておいた下穴を頼りに縫い進めます。ウェルトの幅が狭いので、縫い穴開けには、すくい縫い用の針を使いました。

久々ということもあって、存分に楽しみながら縫い終わりました。そんな時はリズムよく作業ができますので、靴底側のステッチもキレイに仕上がるように思います。

ウェルト側のステッチもノーミスで縫えました。

ちなみに、このスコッチグレインはだし縫いのピッチが3.6ミリですので、7spi(stitch per inch)くらいですね。手製靴の世界では初心者に推奨される目の細かさのようです。
だし縫いを満喫した後は、ドブ伏せが待っています。今回はベヴェルドウェスト加工をしますので、メインイベントが続くことになります。
実は、この時点でやらかしていることに気付きました。が、その顛末は次回に・・・
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

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