スコッチグレイン F-9057 セミブローグをDIYでオールソール交換! 分解と中底の交換編

スコッチグレイン
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今回の教材は、スコッチグレインの内羽根セミブローグ。
素っ気なさがたまらない・・・・・ストレートチップに対して、崩し過ぎない中で少し洒落っ気を感じさせるのがセミブローグの魅力ですね。

素敵な一足なのですが、例によって中底がどす黒く変色してしまっています。
今回の記事は、そんな中底を半ば強引に新品へと交換する様子をご紹介しながら、中底が劣化する理由とその予防法にもチョットだけ触れてみます。

ヒールの取り外し

まずはトップリフトを剥がします。私は形に憧れて釘抜きを買いましたが、ニッパーやペンチでも作業できますね。

剥がすと出てくる釘のようなものも、引っこ抜いておきました。

トップリフト剥がし
少し中空なのは、軽量化でしょうか?

積み上げも外します。大きめのマイナスドライバーを突っ込んで「ひねる」ことで、ペリペリっと剥がしましょう。

ちなみに、スコッチグレインの積み上げは、ナンポウと呼ばれる集成材ですので再利用はできません。

積み上げ外し
コツをつかめば力は不要です

古い中底の取り外し

中底とリブテープは接着剤で強力に貼り付けてあります。すくい縫いの糸が掛かる、重要な部位だからですね。

グッドイヤーウェルト製法の断面

中底をリブテープから剥がす時には、有機溶剤で接着剤を溶かしながら作業すると楽です。

ところが、スコッチグレインの中ものはEVAスポンジを両面テープで貼り付けてあるため、接着剤がドロドロに溶けて手が汚れてしまうのです。

手が汚れることよりも、ヌルヌルするのでイライラする方が問題です・・・

そこで今回は、剥がしにくい爪先の本底を剥がしてしまい、その隙間からドライバーを突っ込んで、中底を剥がす、という方法にしてみました。

爪先は芯が入っていますので、アッパーの形が大きく狂うこともなさそうです。

中底の取り外し
口にしか見えない

新しい中底の取り付け

取り外した中底の形を写し取って、新しい中底を切り出します。

リブテープと接着する部位は、ヤスリで毛羽立つまで荒らしておきました。

中底の準備
見比べると傷み具合がよく分かりますね

中底が傷むのは、汗で細菌が繁殖してアルカリ性になるのが原因とのことです。
「靴を長持ちさせるには、1日履いたら木製のシューキーパーを入れて2日休ませる」というのには、このような理由もあるのでしょう。
(より積極的な対策として、酸で中和するという手もあるようです)

安価でも突っ張り棒が2本あるタイプがオススメです

接着する両側にゴムのりを塗って、ベタ付かなくなるまで乾かします。

中底の接着剤
靴本体側のリブテープにも塗ってあります

いつもの「すべり台作戦」で中底を入れたら、台金とハンマーを使って圧着します。

接着する箇所は見えませんので、だし縫いを目印にして、その少し内側をよく叩いておきました。

中底の圧着
カンカンと音が出るので、下にゴム板を入れてあります

新しい中底が付いたら、いよいよ本底を剥がして「ご開帳」です。

キレイに剥がれました!
見えるようになりましたので、この段階でもう一度リブテープを叩いて圧着しておきます。

本底が剥がれた
「だし縫い」が「すくい縫い」のギリギリを走っていて、理想的ですね

かかとのアッパーを止めている釘は、中底まで貫通して止まるものです。
そこで、ハチマキを外して釘を直接打ち込むことで、新しい中底にキチンと固定しました。この作業により、かかと周りがしっかりした感じになります。

吊り込み釘の追い込み
床に転がっているのが外したハチマキです

本底を貼り付ける下準備

だし縫いの糸とウェルトに残った接着剤をキレイに取り除けば、分解の工程は終わりです。

だし糸はずし
つま先のリブテープが浮いてますね・・・直します

ここまでの作業で、本底が外れて中底がリフレッシュしました。以前は中敷きを入れてごまかす・・・・ことが多かったのですが、やはり新品の清潔感は間違いありませんね!

この後は、組み立てていく側の作業に移ります。どんなデザインにしようか、いまからワクワクしています。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

キレイな中底
中底と畳は新しい方がいい・・・

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