スコッチグレイン F-9057 セミブローグをDIYでオールソール交換! ベヴェルドウェスト編

ベヴェルドウェストやね
この記事は約9分で読めます。

だし縫いが終わりましたので、そのステッチを革で隠すドブ伏せ作業に入ります。

その後は、中盤のクライマックス!ベヴェルドウェストの形成です。
靴底の革を薄く削って、ウェルトの上側に巻き込むことで、細いウエストがアッパーに食い込んでいるような表情に仕上げていきます。

さらに今回は、久しぶりにつま先ゴムにも挑戦してみました。
前回はイマイチな仕上がりになった記憶がありますので、そこからの成長度合いを確認したいと思います。

ドブ伏せ

だし縫いの糸を隠すために、苦労してめくった革を元通りに貼り直します。

接着剤だけで固定しますので、アンカー効果が出るように紙やすりでしっかりと荒らしておきます。

やすり掛け
接着って身近ですが奥深い技術です

接着剤を塗って乾かしたら、ピラピラを水で濡らして柔らかくして、シワを伸ばすように貼り付けます。

こんな時のためにも、ハンマーの打面はピカピカに磨いておきましょう。

ギューっとな
力を入れれば良いという訳でもなく

貼り付けた後は凸凹になってしまいますので、力を込めて「こくり棒」で擦ることで滑らかに直しておくのが大事です。

フィドルバック
フィドルバックの稜線がハッキリするように

ベヴェルドウェストの形成

まず、本底のウェスト部を巻き込めるように薄く削ります。
恒例の絵心の足りない図解をどうぞ・・・

ベヴェルドウェスト加工

ピラピラの硬さを指で確かめながら、よく研いだ「別たち」で少しずつ削っていきます。

ピラピラに削る
この持ち方が色々と使えます

ピラピラができたらベベッていきます。その前に下準備を。

言い訳がましいですか?
  • 見えなくなるはずの「だし縫い」は、念のため黒く染めておきます
  • 巻き込む内側には、念のため接着剤を塗っておきます
下準備
インキが接着剤で溶けて汚くなりました・・・

ピラピラを水で濡らして柔らかくしてから、持っている道具を総動員してウェルトの上側に巻き込んでいきます。
一度では決まりませんので、繰り返し押し込みながら粘り強く形を整えました。

巻き込み
一番使ったのは「こくり棒」です

コバをビシッと削り直したら、こんな感じになりました。
だいぶ男前な風情が出てきたと思いませんか?

見えないウエスト
いつものことですが、刃物のキレは非常に大事ですね

つま先ゴムの取り付け

削れやすい爪先は、何らかの方法で保護、もしくは修理しやすいように処理しておくのが良いですね。今回は、ゴムを取り付けることにしました。

なるべくゴムを厚くしたいので、貼り付ける部位の本底は薄くなります。
その状態で「だし縫い」用の溝を掘ると縫った時に貫通してしまいそうなので、今回は「そのまま」だし縫いを掛けてあります。

ということで、貼り付けるゴムに糸が収まる溝を掘ってみました。

こうすれば、だし縫いを切らずにゴムだけ交換できます。

溝を掘っておきました
スペアのゴムを作っておくと良いかも~

トゥースチールのようにビス止めできませんので、接着剤の威力を引き出すべく、熱活性させてから貼り付けました。

熱活性中
境目の線をはじめに接着します

ハンマーでよく叩いて圧着したら、形を整えていきます。
いつもの別たちと、よく切れるカッターを併用しながら、できるだけ滑らかに削ります。

別たちで削り込み
Vibramのゴム板です
私はよくあるカッターに特専黒刃。切れすぎ注意!

大まかな形が出たら、あとはやすり・・・で表面が滑らかになるまで、ひたすら削ります。

このVibramのゴム板は接着側の硬い層と接地側の柔らかい層の2重構造になっていました。
削っていくと・・・刃文はもんのような模様が(笑)

やすり掛け
グラインダー欲しい

最後につま先を整えれば、できあがり!
と言っても、やっと全体の中盤を過ぎたくらいのイメージでしょうか。

この後は、コバ面をやすりで仕上げていく工程です。
かかとは革を積み上げて形成し、こちらもコバ面を艶が出るくらいまで磨いていきます。
いわゆる「地味回」になります・・・

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

まずまず
最近ようやくコバを垂直に削れるようになってきました

コメント

タイトルとURLをコピーしました