オールソール修理が完成して靴を眺めていると、何となくコバがうねっていることがあります。履いた状態の天地方向にコバが蛇行するイメージです。(写真が無くてスミマセン)
いまだに「コレだ!」という決め手は見出せていませんが、毎回悩みながら作業していく中で自分なりの注意点がまとまりつつありますので、恥を忍んでご紹介します。
ブログの決まり文句「ご参考にして下さいね」とは言いません。どうぞツッコミを入れて下さい(笑)
私が考える、コバがうねらないようにする3つのポイント
言わずもがなですが、コバはウェルトと本底の断面です。革1枚からなるウェルトを基準にすることはできませんので、本底をどう扱うか?がポイントだと思われます。私が重要だと考えているのは、次の3点です。
うねっていない基準を確保する
すくい縫いでまとめられた「リブテープ+アッパー+ウェルト」を基準にします。これがうねっていなければ、そこに貼り付けた本底はうねらないハズです。(当たり前のことを大げさに書いている感はありますが・・・)
中古靴では、屈曲されたり体重が掛かったりしてうねっていることが多いため、削ったり叩いたりして大きなうねりは除去しておきます。

ウェルトと本底を確実に接着する
ウェルトと本底はゴムのりで接着してから「だし縫い」を掛けます。接着が甘いと、だし縫いのための穴を開ける時にウェルトと本底がズレることがあります。この時にコバの形状が狂ってしまいます。
靴修理におけるウェルトと本底の接着では、接着する面の下準備=古い接着剤の除去が最も大事だと考えています。次の記事でオススメの方法をご紹介していますので、ぜひご覧ください。
本底の貼り付けを3ステップで考える
コバの基準を整えて、接着するための下準備ができましたら、いよいよ本底を貼り付けます。ここでは一気に全面を貼り付けるのではなくて、次のような3つのステップに分けて仕上げるイメージで作業しています。
- 本底を基準(リブテープ)にピッタリ貼り付ける
- 基準の決まっている本底がウェルトを迎えに行くように変形させる
- ウェルトと本底を接着しつつ、コバを整形する
では、実際の貼り付け作業に移りましょう。
本底を貼り付ける作業の3ステップ
本底をリブテープにピッタリ貼り付ける
ゴムのりを塗って乾いたら、貼り付ける直前に本底を底面側から十分に濡らします。こうすることで革は「フニャフニャ」になり、本底やコバの整形がやり易くなります。

本底を平らな台の上に置いて上から靴を乗せ、本底とリブテープを接着させます。動かない程度にくっついたら靴を裏返して底側から全体をハンマーで軽く叩いて圧着します。この時にリブテープの外側はまだ叩かないようにします。

ハンマーで圧着できた状態です。リブテープとウェルトには段差がありますので、この時点では本底とウェルトは浮いている状態です。

本底からウェルトを迎えに行く
ウェルトのある部分は本底の外周部をハンマーでしっかり均等に叩きます。本底とウェルトの大部分が接着するくらいになっていればOKです。
土踏まずからかかともハンマーで圧着します。ハンマーで叩いた跡を消すように、また全体が滑らかな曲面になるように、満遍なく適度な力で作業するようにしています。板金作業のように、底面全体の凹凸や表情をハンマーで作っていくイメージです。

ウェルトと本底を接着しつつ、コバを整形する
ウェルトにこくり棒を当て、本底をハンマーで「コンコン」と叩いて完全に圧着します。
もれなく圧着することはもちろんですが、この作業でコバを「真っ直ぐに」整形しておくのが重要です。この後、濡らした本底が乾いていく過程で、整えた形状を覚えるからです。

さて、仕上がりは・・・
コバの形状が分かりやすいように、ウェルトからはみ出した本底を切り回してみました。ほぼ、うねりのない状態に仕上がったと思います。
まだまだ試行錯誤をしている段階ですので、もっと良い工夫に気付いたら記事を更新していこうと思います。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

コメント