本底を貼り付ける前の準備
現物から写し取った型紙を使って、本底用のベンズをさらにピッタリのサイズに切り出します。

靴に貼り付ける面(アッパー側)には、次のような加工を入れます。
- ニベ層を削り落とす
- 半カラスの境界線にグルーバーで浅い溝を掘る
- 土踏まずがモッコリするように、緩やかな凸形状に削る
- アッパー側と接着する部位を木ヤスリで荒らす
- 靴との合わせマークを打っておく

裏側(地面側)は、だし縫いの糸を隠すために、革を薄く開く(ドブ起こし)加工を入れます。
この作業は特に刃物がよく研げていることが重要です。

今回は、土踏まず側面の本底をウェルト側へ巻き込んで仕上げる”ベベルドウエスト”にします。
そこで、ウェルトの幅をギリギリまで切り詰めました。

本底の貼り付け
準備した本底を、こんな風に貼り付けます。
土踏まずのモッコリは出せましたが、前半部との境界線の形が思ったようになりませんでした。
V字ではなく、U字にしたかったのですが・・・

ウェルトからはみ出した本底を切り回すと、スリッパから靴らしくなってきますね。

トゥースチールが収まる場所を削り込みます。
ピッタリと合うまで、根気よく少しずつ調整しました。

ドブ起こししたピラピラを濡らしておいて「めくり」ます。
だし縫いのラインがどこを通るか見定めて、糸が収まる溝を掘れば、いよいよ「だし縫い」です!!

だし縫い
だし縫いは、私が一番好きな工程。
いつものように夢中で作業を進めました。
ということで、縫い上がり!

今回は(今さら・・・)縫うのにかかった時間を測ってみました!
右足 | 左足 | |
---|---|---|
かかった時間 | 2時間40分 | 2時間 |
縫い針の外れ | 1/2本 | 0/2本 |
糸の長さ | 4.8m(3ひろ) | 4m(2ひろ半) |
漢字を調べようとして、色々な単位を説明している面白いサイトを見つけました。
外れた縫い針(テグス)を付け直すのは10分程度です。
それを除いても、糸の長さだけで作業時間が2~3割も変わるということになります。
糸が長いと、引く回数が増えたり、たまに引っ掛かったりします。
だし縫いはステッチ数が多いので、このちょっとした時間の積み重ねが、結構な差になるのだと気付きました。
ドブ伏せ
ドブ起こししたピラピラに接着剤を塗ります。

その後は・・・
- ピラピラを水で濡らして元の位置に接着(ドブ伏せ)
- 別たちでコバを整え直し
- かかとに本底固定用の釘を打ち込み
まで進めて、一段落です。
次は、ヒールの積み上げとベベルドウエスト加工、トゥースチール取り付けに入ります。
どれも少し苦手意識のある作業ですが、楽しみながら進めたいと思います。
最後までご覧下さいまして、ありがとうございました。

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