中もの(コルク)を詰め終わりましたので、ソールの貼り付けに入ります。靴底の表情やコバの雰囲気など、自分なりの理想の仕上がりをイメージしながら、そこへ近づけていくように作業を進めようと思います。
ウェルトの切り回し
今回はウェルトを交換しましたので、自分で出っ張り具合を決める必要があります。目見当(めけんとう)でやる方法もありますが、ここでの作業精度が悪いと、本底を貼る→だし縫いを掛ける→コバを決める、という後工程のやり易さや仕上がりに影響が出ますので、アッパーから6mmの位置に印を打っておきました。

慎重に切り回してみました。本底が付いておらずウェルト1枚しかない状態ですので、出代がこれで良いのかを見た目で判断するのは難しいです。
何となくですが「わずかに出っ張り過ぎかな」と感じますので、最後にコバを決める時の削り代を残した状態になっているのだと思います。

ウェルトとハチマキの接着面を#60の紙やすりで荒らして、本底を貼り付ける準備が整いました。
切り回したウェルトとすくい縫いの間隔がほぼ一定になりましたので、それぞれの作業精度はまずまずだったと思われます。

本底革の切り出しと貼り付け準備
型紙の形状を本底用の革に描き写しました。この線の位置で切り出すと「ジャストサイズ」ですので、作業誤差を考えて2mm外を切り回しました。

接着する面をやすりで荒らしておきます。前半部分の中央は「塗る派」と「塗らない派」があるようですが、
- 相手がコルクなので強度面での働きは、あまり期待できなさそう
- 靴の中の湿気が少しでも本底で吸収できれば・・・
- ゴムのりの節約(笑)
と言ったことを考えて、塗らないでおきました。

本底の貼り付け
貼り付ける直前に、本底をしっかりと濡らして柔らかくしておきます。
濡らしてもすぐに吸い込みますので、意外にたくさんの水を付けることになります。上で本底に「靴の中の湿気吸収」を期待したのは、コレを知っていたからです。

ハンマーで叩いて圧着します。(一つ前の写真と似ていますが、こちらは向こう側に靴のアッパーが隠れています。)
ただ接着するだけでなく、底面全体の凹凸を整えるように満遍なく叩くようにしています。本底は濡れていますので、整形しやすく、乾いていく過程でその形を覚えるからです。見栄えを左右する大事な作業です。

本底が乾いて落ち着いたら外周をウェルトの位置まで切り回します。
ウェルトを切り回した時点でもチェックしていますが、左右対称になっているか見比べながら作業することがポイントです。

おわりに
次は私にとっての「メインディッシュ」である、だし縫いの工程です。今回は、ウェルト交換をしていますので、これもまた試行錯誤の連続になると思いますが、頑張って経験値を上げたいと思います。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

私はコルクで「モッコリ」を形成しましたが、革でやる方法を見つけました。今度、試してみようと思います。
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