スコッチグレイン OP-0536 自分で靴修理7 ヒールの積み上げ

積み上げ完成
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ヒールの形状や角度を決めますので足の健康にも関わる大事な工程ですが、作業が地味なこともあり正直に言って少し苦手です。ということで、今回はたっぷりと時間の取れるタイミングを狙って仕掛かりました。その分、写真もたっぷりですので、お楽しみ頂けますと幸いです。

本底の丸みと傾きを吸収する

土踏まずのモッコリを大きく(高く)しましたので、1枚目を積む前にハチマキと呼ばれるクサビ形の帯を使って丸みを緩和してみました。

強く曲げる箇所には切込みを入れておき、ゴムのりが乾いたら十分に濡らした上で、かかとから順番に貼り付けていきました。最後にハンマーで叩いて平らにしつつ、革を締めてあります。

はちまきを試してみた
アゴの部分は貼り付けてから切り落とします

1枚目の積み上げが終わりました。

ハチマキが無ければ丸みが強すぎて、ピッタリ貼り付けることすら厳しかったかも知れません。

前後の傾きは2枚目に任せると割り切って、1枚目ではとにかく平らにすることを目指して、チマチマと革を削り続けました。

1枚目で丸みをほぼ解消
微妙に丸みが残っていますね・・・

次に2枚目を貼り付けてから、前後の傾斜を調整して行きます。

その前に、ふと思い付いて平らな面に当てたところ、まだ「ガタガタ」していて平面が十分に出ていないことに気付きました。

まず2枚目を平らにする
かかとだけを机に乗せます

そこで、まずこの「ガタガタ」を解消してから傾斜調整をしたところ、作業時間を短縮することができました。当たり前なのに気付いていないことってあるものですね。

本来は2枚目を貼り付ける前にチェックすべきでした・・・

角度調整結果
全体がピタッと接地するようにします

トップリフトでフタをする

フタをする前に、2枚目までの積み上げを本底に固定し、また外周部の密度を上げるために、スクリュー釘を打ちます。

釘を打って追い込む作業も苦手です。今回は釘を打つ前にポンチで革を追い込んでみました。この方法でもあまり凹まないので基本的に作業がヘタなのだと思います。ただし、革を濡らした効果なのか、釘の打ち込みは楽になりました。

下穴を追い込み
この時点で少しずれているところがありますね(涙)

釘打ちが終わりました。あくまでも感覚ですが、積み上げの革の密度が上がり、どんどん「カッチカチ」になって行きます。歩いた時に良い音がしそうです。

以前に積み上げの革を締めなかった靴は、使い込むうちに歩く時の音が「コトコト」から「コツコツ」と高くなってきたような気がします。

釘打ち完了
黒っぽいのは「鉄染み」という現象だそうです

トップリフトは、革とゴムを組み合わせたものにしました。貼り付ける面の境目にわずかな段差がありましたので、荒らすついでに滑らかに削っておきました。

トップリフトの貼り付け面を整える
たまには「半月」タイプも使ってみようかな

トップリフトを貼り付けて、ヒールのコバ面(外周)全体を「別たち」で整えれば、積み上げる作業は終了です。

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ここまでで靴が履ける状態になりました。ここからは、見栄えや耐久性のための楽しい作業に移っていきます。

積み上げがウェルト(正しくは下ハチ)よりわずかに大きいのは、この後の仕上げ工程で削る分です。

ヒールの形状決定
積み上げの中央とアッパーの中央が必ずズレるのは?

コバ面を磨き上げる

ヒールのコバ面を磨く前に、ここでも革を締めるために、水で濡らしてハンマーのくぎ抜きの方でコツコツと叩きます。最後に釘を打つ平らな方で軽く叩いて、細かな凸凹を消しておきます。

積み上げの密度アップ
叩く回数が多いので、前腕がパンパンになります

ガラスまで掛け終わった状態です。ガラス片をたくさん準備しておいて、交換しながら常によく切れる状態で力を入れずに削ることに注意しました。

写真を撮り忘れましたが、この前の木ヤスリも全体が均一な表情になるまで、力を入れずにしっかりと掛けました。

前の工程に時間を掛けて仕上がりの質を上げておくことが、その次の工程での作業をやり易くし、結果的にキレイにできることを再認識しました。

渾身のガラス磨き後
この時点でかなりキレイになってきます

あとは#120と#240の紙やすりをキッチリ掛ければ、磨き作業は終了です。ここまでを1日掛けてやりましたので、この時点でのツヤの質感は自己最高記録を達成できたと思います。

この時点で、先ほど残しておいたウェルトと積み上げの段差は無くなっている(境界線がスッキリしている)のが、お分かり頂けると思います。

ヒールの磨き終わり
うっすらと白っぽいところは磨き足りないのでしょうか?

最後の仕上げ

最後にアゴ(ヒールの前端)を整形して磨きました。ここの曲面が3次元的で中々うまく仕上げられません。さらなる精進が必要です(笑)

アゴの整形
ハチマキの断面が磨けませんでした

地味な作業に2日近くも掛けましたが、その時間は出来栄えに現れていると思います。今回の作業を通して、積み上げの工程が少しだけ好きになったかも知れません。えぇ、自己満足ですけど。

この後、コバを着色して熱ゴテでロウを浸透させた時の表情が楽しみです。

積み上げが終わりました
積み上げがあと少し小さいとスマートかも

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

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