ソールを剥がしてウェルトを取り外しておいたスコッチグレインの作業を再開します。今回のリウェルトでは、すくい縫いの糸に結び目ができて引けなくなることの克服が自分に課したテーマです。
リウェルトの下準備
新しいウェルトは、あらかじめ芯まで水が浸透するくらい濡らしておきます。
靴の形に合わせて曲げながら(伸ばしながら)縫い付けますので、柔軟性を持たせる意味があります。また、乾いた時にウェルトが「ピンと張る」という記事を見たこともあります。

すくい縫いの糸と針を準備します。と書くとあっさりしていますが、
- 糸を撚り合わせて
- チャンを塗って
- 糸先を作って
- 針を取り付けて・・・
これだけでも「十分に楽しめる」一仕事です。

リウェルト・すくい縫いの作業
金針が壊れる理由と対処法
ワクワクしながら縫い始めましたが、金針を通す時に引っ掛かる感じがありました。「オリャっ」と引っ張ったところ、針穴が壊れました・・・
針を付け直して再開しましたが、やはり同じことが起こりましたので、針の付け方に問題があると考えました。

針穴の部分の糸が引っ掛かっていましたので、糸の先端(細い)側に金針を付け直してみました。
金針を取り付ける位置の糸が細すぎると糸が切れ、太すぎると針が壊れる、ということなのでしょう。難しいです。

すくい縫いの作業ポイント
金針の取り付け位置を見直してからは、引っ掛かることも無くなりました。今回の作業を通して、他にも自分なりに気付いたポイントがありますので、ご紹介します。
【すくい針の通し方】
力を入れずに針の切れ味で刺し通すのがコツだと思いました。力が掛かるとウェルトが動いてしまい、ウェルトに開ける穴の位置と角度が安定しないからです。
すくい針をよく研いでおいて、軽くウェルトを突きながらグリグリとすると、意外に簡単に通すことができます。


仕上がりの状態
一目ずつしっかりと引き締めながら縫うことができました。糸はリブテープとウェルトにきちんと食い込んでいますし、外側からは見えませんので、ウェルトはガッチリ固定されたと思います。


最後に
はじめは「どうなることか」と焦りましたが、無事に縫い上がりました。
今回のすくい縫いでは、正しくあやを掛けて、縫い目を確実にロックさせる感覚が楽しいと感じました。力を掛けますので、両手が腫れて身体も疲れましたが、それが充実感にもつながっているように思います。
毎回行う修理ではありませんが、次の機会が今から待ち遠しいです。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
コメント