スコッチグレインの革靴を自分でオールソール交換 フィドルバックに挑戦! その5 ヒールの積み上げ編
恒例の地味回(笑)靴のヒールを作っていく工程です。色々な方法がありますが、私は部材を1枚ずつ貼り付けて削りながら調整していく「積上げ」によって、仕上げています。今回はフィドルバックの盛り上がりがエロい凄いことになっていますので、どう折り合いを付けるかが課題です。そんな様子をお楽しみ頂ければと思います。
積み上げる前に本底側の準備をします
まず最初に、取り外したヒール部材をもとに「ヒールゲージ」を作ります。ヒールを積み上げていく作業の基準となるものです。

本底のギン面を掻いて(削り取って)から、釘の位置をマーキングします。
私は「外側から8ミリの位置に10ミリ間隔」で釘を打っています。

村山師匠のペース(木釘)打ちを真似ているつもりです
「本底から打って、先が少しだけ中底を飛び出す長さ」ということで、16ミリのスクリュー釘がちょうど良いです。

まずは1枚目の積み上げです
フィドルバックを張り切りましたので、土踏まずのモッコリが凄いことになっています・・・

当たり前ですが、積み上げを貼るとこうなります。これが平らになるように削る必要があります。

ひたすら削りましたが、穴が開いたところでストップです。この時点では、まだ平面にはなっていません。

何とかせねば、の2枚目です
貼り付ける前に木ヤスリで接着面を荒らしていると、”ermany”の文字が。
「まさかGermany?」からの「そう言えば、ドイツの靴修理って・・・」で、こんな靴屋さんのサイトに寄り道をしてしまいました。

2枚目を貼り付けて、さらに削り込むと平面を出すことができました。

ヒールの傾斜もイイ感じです。

トップリフトを貼り付けて完成です
今回使用するトップリフトはゴムのベースに革が貼り付けてあるタイプですので、ヒールへの接着面は全てゴムになります。
接着力を上げるために、木ヤスリでゴリゴリと荒らしておきました。

さらに接着力を上げる目的で、乾かしたゴムのりを温めて「熱活性」させてから貼り付けます。理屈はよく分かりませんが、本当にガッチリと接着します。

最後にヒールのコバ面全体を整えます。
植木職人のように、少し離れたところから全体のバランスを見ては削り、見ては削り・・・アッパーとの面の繋がりを意識して、わずかにピッチドヒールぽくしてみました。
相変わらずの地味回でしたが、最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

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