だし縫いを楽しんだ後は、ガマンガマンの「積み上げ」工程です。かかとがキレイに接地するように、根気強く調整をしていきます。
その前に「空ゴテ」を当てました
積み上げの作業に入る前に、前半部分のコバをウェルトすれすれまで切り回して紙やすりで仕上げてから、濡らしてコテを強めに押し付けて、コバの上端を整形します。
自分なりに出したい形があるのですが、なかなか上手くできません。コテを仕立てる所からやらないといけませんね。

かかとの積み上げに入ります
シングルウェルトの靴ですので、本底のかかと部分は釘で本体(中底)に固定します。
だし縫いが掛かっているところは、釘は不要と考えて、かかとの前端から少し離れた位置まで打ちました。中底を貫通し台金に当たって先端が折れ曲がるように、16mmのスクリュー釘を選びました。

修理前のかかと高さに合わせるため、革を3枚積み上げてから、トップリフトを貼ります。
1枚目と2枚目で本底の丸みを吸収し、2枚目と3枚目で傾斜を調整します。写真は2枚目の具合を確認しているところです。
Bitly

1枚ずつ積み上げながらの調整が終わりました。ここまで来ればヤレヤレです。

トップリフトを貼る前に、またしても釘を打ちます。たくさん打ってありますが、この釘には
- かかとを靴本体に固定する
- 積み上げの革(の外周)の密度を上げる
という役割があります。

この後は、大好きな仕上げの工程です
トップリフトを貼り付けて、外周を「別たち」でチマチマと削って整形しました。ヒールゲージも使いながら作業していますが、いまだに「もっとカッコよくならないかなぁ」と試行錯誤しています。かかとの形状だけでも、奥が深いです・・・

最後までご覧くださいまして、ありがとうございました。
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