ここからは「お化粧」のような工程が続きます。作業を進めるにつれて靴が光り始めますので非常に楽しいひとときです。
だし縫い糸やコバ周りをインクで染めます
まず各部を染色しておきます。コバ周りは色の濃淡が出ますが、全体を同じ濃さにしようとして厚塗りしないのがポイントです。この次にロウを入れると、多少の濃淡は気にならなくなります。


熱ゴテでロウをコバに浸透させます
コバワックスを熱で溶かして、コバに擦り付けます。次に熱ゴテで浸透させることにより、艶出しだけでなく保護する効果もありますので、たっぷりと付けておきます。

適温に熱したコテを使って、塗り付けてあるロウをコバに溶かし込んでいきます。コバ(革)の温度を少しずつ上げていくようなイメージで、力は入れずに滑らせます。
私はまだコツをつかみ切れていませんが、しばらくコテを当てていて表面のロウが減って浸透する分が無くなるような感じになればOKです。

半カラスの部分も同様に熱ゴテを掛けました。ロウが入ると、早染めインキで染めた時よりも色が濃くなり、濃淡のムラは目立たなくなります。

一通りロウを浸透させたら、熱したボロ布で表面に残ったロウをしっかりと拭き取ります。こまめに持ち替えて、ロウの付いていない布で拭くと作業が速く進みます。

全体の拭き取りが終わった状態です。しっとりとした艶が出て、コバの上端がピシッとした感じになります。手間は掛かりますが、掛けた分だけの質感になると思っています。

ソールを染色します
熱ゴテの作業で底面にはみ出したロウや、付着した汚れをガラス片と#240の紙やすりで掃除しておきます。

いよいよソールの染色です。スポンジでムラなく塗って、半乾きになったら靴ブラシでならします。ソールステインは染料ですので、手に付くと落ちにくくて厄介です。ビニール手袋の使用がオススメです。


ソールステインは乾くと色が薄くなりますので、好みの色合いになるまで「塗って→ならす」を繰り返します。
靴修理の作業はこれで終わりです。この後は、仕上げの靴磨きです。

仕上げの靴磨きで完成です
完成した靴を磨きたくてウズウズしている自分をじらすように、中敷きを貼ったりする訳です(笑)
剥がれやすい前端をしっかり固定したいのですが、接着剤がはみ出すのも避けたいので、両面テープを使います。あとは、かかとで踏みつける中敷きの中央付近だけをゴムのりで接着します。

長い作業でアッパーにも手垢だらけ多少の汚れが付いていると思われますので、ステインリムーバーを掛けました。
靴クリームで仕上げる前に、保湿のつもりでダイソーのベビーローションを塗り込んでみました。何の気なしに試したのですが、これが好感触でしたので、別の機会に他のお手入れ用品と比較してみようと思います。

靴クリームとワックスで丁寧に仕上げました。キチンと化粧をした女性のような魅力が出ていると思うのですが、いかがでしょうか?

最後に
今回も自分の気力と体力が許す範囲で、根気よく丁寧に各工程を仕上げました。それでも出来上がってみて全体を見回すと、まだまだおかしい箇所が見つかります。しっかりと記録して、次回の作業に活かしたいと思います。

最後までお付き合い下さいまして、ありがとうございました。
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