「靴修理日記」最初のお題は、ロイドフットウェアのホワイトホールというモデルです。お恥ずかしながら知らない靴でしたが、どうやらクロケット&ジョーンズで製造されたもののようです。そう言われると、ストレートチップらしいバランスの取れた佇まいを感じるような・・・
ソールを解体して、丸洗いまで済ませた状態からのスタートです。
ウェルト交換が必要な理由
たまに、修理歴のある靴にめぐり合うことがありますが、これは酷い部類に入ると思います。
ご覧の通り、元の穴を全く無視して、適当にだし縫いが掛けられており、ウェルトは穴だらけです。
靴好きとしては悲しい気持ちになりますが、これも何かの縁ですので、ウェルト交換に初挑戦することにしました。

私がやってみたウェルトの外し方
ウェルトの端を引っ張って、アッパーとの間から見えた糸を順番に切っていきます。
残った糸はリブテープの内側から、千枚通しを使ってほじくり出しました。

思ったよりも簡単にウェルトを外すことができました。この状態でも、アッパーと中底は外れませんので、シューツリーを装着しておく程度で、型崩れは起こさずに済むと思います。

新品のウェルトを取り付けます
いわゆる「すくい縫い」ですね。
すくい縫いには「9本撚り」か「単糸8本を撚った」糸を使うらしいのですが、私はだし縫い用の「6本撚り」しか持っていないので、これをほぐして作った単糸8本を撚ることにしました。スパイダーマンのようになりながら、格闘すること1時間・・・こんな手間が楽しかったりします。


縫い始めたら、必死になるあまり、写真を撮り忘れました。イメージ映像をご用意しましたので、興味のある方はぜひ。
実際には(笑)針が取れたり、壊れたりして大変でしたが、何とか縫い上がりました。
ウェルトに見えている糸の食い込み具合が足りないような気がします。縫い目をロックするように結びながら縫うのですが、引き切る前に固くなってしまう時があり、何か勘違いをしているのかも知れません。

まとめ
すくい縫いは初挑戦でしたが、楽しかったです。
だし縫いと比べると、糸を強く引くために力が必要で、金針を使うこともあり、「男性的」な作業であると感じました。
これまで、食わず嫌いで避けてきましたが、何と言ってもウェルトは構造上の要ですので、今は「もっと練習したい」と思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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