ヤンコ YANKO パンチドキャップトゥ DIYオールソール修理3 本底の取り付け編

本底を荒らし中
この記事は約3分で読めます。

ヤンコ YANKO パンチドキャップトゥ DIYオールソール修理3 本底の取り付け編

シャンクやコルクを入れてから本底を貼り付ける工程です。組立て側の作業に入るこのあたりから靴に対する愛情が芽生えてきます。ここでの完成度が次の「だし縫い」のやり易さや仕上がりにつながると感じますので、丁寧に参ります~

中もの

ヤンコの靴は「シャンク鳴りする」という記事を見掛けますので、接着剤の効きを良くするためにナイロンテープでぐるぐる巻きにしてみました。

鉄シャンクを柔らかい樹脂で包んだ構造のようです。この樹脂が接着剤の付きにくい材質だと思われます。

シャンク
初めて見る構造のシャンクです

前半部は新品の板コルクを詰め直しました。以前は穏やかな凸形状になるようにしていましたが、最近はできるだけ平らになるようにしています。それでも(私の作業方法では)本底を貼り付けるとふっくらと丸みが出るからです。

中もの詰め完了
シャンクとコルクの境目の位置が大事なような気がします

本底の加工

本底用の革はあらかじめ靴の形に切り出してから貼り付けるようにしています。

作業そのものが好きだという理由が一番ですが(笑)この次の工程での加工をしやすくする目的があります。

そのために、荷造りテープを使って基準となる「魚拓」を取ります。

つま先とかかとに合わせマークを入れているのが、最近始めた工夫です。本底を貼り付ける時の目印にします。

魚拓の採取中
分かりにくいですが荷造りテープが貼ってあります

魚拓から写し取った線に沿って、本底の革を加工しました。具体的には

  • 外周の形状を切り出す
  • 土踏まずを漉いて厚みを落とす(今回はコバ面で3ミリにしました)
  • 接着する部位を木ヤスリで荒らす

という作業です。

本底の準備加工
コルクの部分は接着しません

本底の接着

接着面にゴムのりを塗って、いよいよ本底を貼り付けます。

この靴は全体的にエレガントな雰囲気で、コバの出っ張りがかなり・・・抑えられた仕上げです。そのため、「だし縫い」も内側に追い込まれていて「すくい縫い」と部分的にオーバーラップしていますすくい縫いの糸がほつれ気味な所を見ると、少しやり過ぎている感がありますね。

グッドイヤーウェルト製法の断面
大活躍の断面図
だし縫い攻め過ぎ
すくい糸が完全に切れてはいませんが・・・

乾いたゴムのりを熱活性させてから、本底を貼り付けました。ここでは、ウェルトがピシッと真っ直ぐになるように仕上げるのが重要だと考えています。

貼り付け完了
まずまずキレイに接着できました

コバの切り回し

貼り付けた本底のコバを、ウェルトのギリギリまで切り回します。先ほども書きましたが、元々のウェルトが「攻めた」状態で作られていますので、とにかくウェルトを削らないように細心の注意を払いました。

いつもよりも疲れました・・・

コバの切り回し
右手が痺れています

コバの切り回しが終わるとこんな感じです。今の自分なりに目指した形に仕上げることができました。

メインディッシュの「だし縫い」へのテンションが上がってきたところで、今回はおしまいです。最後までご覧下さいまして、ありがとうございました。

本底の貼り付け完了
良いモッコリ具合です

コメント

タイトルとURLをコピーしました