この記事は、次のようなことを考えられてる方へ向けたものです。
- 「奮発して買った高級革靴のソールが減ってきたけど、交換しようかなぁ? どうしよう?」
- 「革靴が欲しいけど、どういうのが良いかなぁ?」
結論を言いますと・・・
シンプルですね。
では、順を追ってご説明します。
こんな靴を履いていませんか?!
革製の本底がすり減って穴が開いています。
穴から見えてる白い部材は「中もの」のスポンジです。
「穴が開いただけなんだから、本底を交換すればいいんでしょ?」と思われるかも知れませんが・・・

もう少しよく見ると、コバの角度もおかしくなっています。

横から見ると、コバがアッパーにめり込んでいます。

その姿は、まさに鬼キャン。
※クルマのカスタムを否定するものではありません
家に帰る時、前の車が
— Masa (@masa880927) August 6, 2021
鬼キャンって言われるタイヤをハの字にして走行してたんだけど
速度は出せない、真っ直ぐ走れなくてセンターラインはみ出して対向車に、ぶつかりそうだし
後ろから見ていてヒヤヒヤそしてダサいなと思った pic.twitter.com/1ZDodkcRKM
実は、こんなことになってるんです・・・
ちまたでよく言われる、グッドイヤーウェルテッド製法の特長は
- 履き込むほどに中ものが適度に沈み込んで、足の裏の形を記憶してくれます!
- そのことにより、あなたの足にどんどん馴染んでくれます!
・・・・はい。
「嘘」とまでは言いませんが、私自身が靴修理をしてきた経験からすると、
- 本底の摩耗に応じて、中底+中ものが沈み込む
というのが、実態に近いです。
※中もの(練りコルク)の質が悪くてヘタってしまうものもありますが、それは問題外ということで除外します。このメーカーが有名です・・・
イメージ図を描くと、こんな感じ。
ちなみに、これくらいがオールソールのベストタイミングです。本底を指で押すと「ペコペコ」するくらい柔らかくなっています。

そのまま履き続けて本底に穴が開くと、「支え」がなくなって全体が変形し始めます。
鬼キャンへのトランスフォームがスタートする訳です。
※クルマのカスタムを否定するものではありません

どうやって直すのか?
上の図から分かりますが「中底が過剰に変形してしまっている」のが問題です。
ウェルトの変形を修正しながら新しい中ものと本底を取り付ければ、鬼キャンはほぼ元通りにすることができます。ですが、変形し切った中底の行き場がないのです。
冒頭の靴の中底を剥がしてみました。
足の形というよりは本底の穴の形に沿って、中底がボッコリと変形しているのが分かります。

ということで、キチンと直すには中底を交換する必要があるのです。

ちなみに、リーガルの純正修理だと5000円くらいでやってもらえるようです。→ 公式サイト
それでも履き潰しますか?
ホントはオールソール交換して頂きたいです
さきほどの靴はH9046というスコッチグレインのアウトレット専用モデルで、新品の価格は28,000円です。
純正修理でオールソール交換をお願いすると14,300円。
「高い!」と思われますか?
先ほどの「ベストタイミング」で修理に出せば、風合いの出たアッパーにまっさらの靴底が付いた、あなただけの一足を手に入れることができます。
私が靴修理に興味をもったのは、そんな私だけの一足に感銘を受けたことがキッカケです。
一人の靴好きとしては、そうやって修理しながら愛着をもって靴と付き合う喜びを、ぜひ味わって頂きたい・・・
と、靴好きが前面に出てアツく語ってしまいました。ですが、
スコッチグレインは「そういう履き方」に十分応えてくれる製品です。
もったいないので、修理して履いてください!!
「靴は履き潰すもの」という考えも否定できません
一方で「靴が道具である」というのは事実で、「壊れるまで使い切って交換する」という考え方もアリです。
そんな方には、私も愛用しているGUの革靴を全力でオススメします。
修理して履く前提で設計されておらず、逆にそれだからこそできる履き心地とコストパフォーマンスが魅力です。
GUの革靴なら、よく言われる「ローテーションに欲しい最低限の3足」を一気に揃えても、スコッチグレイン1足を買った場合の半額以下です。
どんなに良い靴でも、毎日連続して履き続けると内部に湿気がたまり、傷みや臭いが出やすくなります。
それよりも、キチンとローテーションを回せる靴を揃える方が、気持ちよく履けますし靴も長持ちしますよ。
簡単なお手入れをしながら3足をローテーションするプランはこちら!
商品 | 個数 | ざっくり金額 | |
GU 革靴 | 3 | 12,000円 | |
ダイソー 靴ベラ | 1 | 100円 | |
ダイソー シューキーパー | 3 | 300円 | |
ダイソー 靴ブラシ | 1 | 100円 | |
ダイソー 靴クリーム | 1 | 100円 | |
合計 | – | 12,600円 |




※グッドイヤーウェルテッドの靴を履き潰すということは、繰り返し修理できる構造に掛かっているコストをドブに捨てているという言い方もできます。もちろん、スコッチグレインとGUでは、アッパーの革質や縫製などのグレードも違いますが。
まとめ
いかがでしたか?
もう一度、結論をまとめてこの記事を終わろうと思います。
オールソール修理するなら
本底に穴が開く前に(指で押してペコペコするくらい)修理してください。
そして、靴を修理しながら履き続ける楽しさに、ぜひ気付いてください!
オールソール修理しないなら
GUを3足と簡単なお手入れ用品を、まとめ買いしてください。
そして、いつもキレイな靴を履く楽しさに、ぜひ気付いてください!
これを読んで、一人でも靴好きの方が増えれば、そんなに嬉しいことはありません。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます!
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