自分で靴修理 スコッチグレインの革靴をDIYオールソール交換 ヒールの取付け編

積上げスタート
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前回「だし縫い」まで終わりましたので、ステッチを隠す「ドブ伏せ」からベヴェルドウェストの仕上げへと進みます。さらに、地味だけど大事な「ヒールの取付け」まで終わると、ようやく靴の形が見えてきます。

ドブ伏せ

だし縫いの前に起こした革一枚を貼り戻すことで、だし縫いのステッチを隠します。

諸説ありますが「見た目が美しい」のが、一番の効果です。
いずれ擦り減ったら中身が見えてくる訳ですが、周辺部は体重が掛かりにくいので、「見た目が美しい」期間は意外に長いです。

接着剤の効きを良くするのと、溝を掘った時のバリを落とす目的で、#80のペーパーをしっかりと掛けます。

荒らし作業

両面に接着剤を塗って乾かしたら、裏側から革を濡らして柔らかくし、ハンマーの打面で「ぐーっ」とシワを伸ばすようにして圧着します。

ドブ伏せの直前

貼り戻した部分を中心に、底面全体を「こくり棒」で擦って滑らかにしました。

ドブ伏せ直後

かかと部には「だし縫い」が掛かっていませんので、本底は釘で中底に固定します。
最近は外周から15ミリの位置に釘を打つようにしていますが、

  • 釘を打った時の本底の変形
  • 積み上げを留める釘との干渉

を考えると、良いバランスだと感じています。

本底の釘止め

ベヴェルドウェストの仕上げ

ウェスト部分に残してあった余分な本底は、薄く削ってウェルトを包むように巻き上げる準備をします。

ピラピラの調整

厚みや形状の微妙な調整は、別たちよりもガラスの方がやり易いです。

ピラピラの微調整

革を水で濡らしてから、手持ちの道具を総動員してウェストをベヴェりました。

ベヴェルドウェストの巻き込み

ウェルトを追い込んでおきましたので、ウェストがシュッとします。

ウエストほっそり

積上げ

ここからは、まさに呼び名の通り「コツコツとした」作業が続きます。

ウェストの中央部は「中もの」を盛ってモッコリさせましたので、平らなヒールを取り付けるために曲面を吸収する必要があります。
なので、1枚目の革は中央をほとんど削ってしまうことになります・・・

曲面の吸収

2枚目の革で残った曲面を吸収し、前後の傾斜も合わせ込むことになります。
ところが今回は、ほとんど削らなくても前後の傾斜が合いました。

これは、本底を貼る時にシューツリーを入れずに「靴なり」にしたのが良かったのだと考えています。
汎用シューツリー≠木型という当たり前のことですね・・・

傾斜の調整

積み上げの調整が無事に終わったら、釘で本底に固定します。
この時に、外周から10ミリに打つことで、本底を留めている釘と当たらないようにしています。

積み上げの釘止め

トップリフトを接着して、コバ面をキレイに切り揃えれば、積み上げの完了です!
(この後、コバ面の角度が気に入らなかったので、削り直しました・・・)

トップリフト貼り付け

コバ磨き

さらに、もっと、地味な作業が続きます!
革のコバ面(断面)を艶やかに仕上げるための、磨き作業です。

最初に、水で濡らしてからハンマーで叩いて、革の目を詰めておきます。

ヒールをコンコン

あとは、ヤスリを変えながら段階的に表面の粗さを細かく仕上げていきます。
木ヤスリとガラスで面のうねりや凹凸を取り去って、2種類のペーパーで傷を消すイメージです。

作業の根気良さや丁寧さが仕上がりにそのまま現れます。
毎回「これでヨシ!」と思うのですが、インキを入れるとアラが出てくるんですよね・・・奥が深いです。

積上げの磨き終わり

そのまま、靴前半部のコバも・・・以下同文です。

前半部のコバは、カマボコ状にならないよう平面に、そして地面と垂直に、を意識して作業します。

ここまでで靴の形は仕上がりました。
今回(こそ)はコバを茶色にしようと思っていますが、その前に色の出し方について実験が必要だと考えています。それは、次の記事に・・・

最後まで読んで下さいまして、ありがとうございました!

コバの磨き上がり

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