いよいよ、ベヴェルドウェストを成形する工程に入ります。ウェスト部分の本底でピラピラを作って、巻き込むようにしてウェルトに被せつつ、コバを丸く仕上げます。これまでの作業でコツコツと仕込んできた細工が実を結ぶ瞬間です。私にとっては2回目の経験になりますが、前回の反省を活かして少しでも精度を上げられれば、と思っています。
スコッチグレインの革靴を自分でオールソール交換 フィドルバックに挑戦! その4 ウェストの加工編
ウェスト部の本底に加工を入れます
前の工程で一度コバは整えてありますが、その後のドブ起こし→だし縫い→ドブ伏せという激しい加工を通して狂いが出てしまいます。
ということで、この段階で「別たち」を使って仕上げの切り回しをします。

ベヴェルドウェストの加工を始めるにあたり、魚拓を使って補助線を入れてみました。
2本の線の正体はこうなっているハズです。
元々は | 今は | |
内側 | すくい縫いの位置 | だし縫いの溝位置 |
外側 | だし縫いの位置 | ウェルトの先端 |
こちらの断面図のようになっているとすると、ピラピラの加工は外側の線までにしておくのが良さそうと考えました。

ということで、ウェルトに被せるピラピラを作るべく、本底を漉いていきます。

ピラピラを曲げてみて柔らかさを確認しながら、すこしずつ削ります。別たちの研ぎと使い方が少しは上達したらしく、ガラス片を使わなくても狙いの薄さまで仕上げることができました。

ウェスト部を成形します
さて、ウェストをべヴェルしますよ~(笑)
と言っても、水で濡らしたピラピラをギュギュっと押し込むだけです。まずは、クセ付けするようなイメージでこくり棒のとがった方で押し込みます。

ピラピラが落ち着いてきたら、手持ちの道具を総動員して形状を整えます。

ピラピラが乾くと、整えた形のまま硬くなります。これでベヴェルドウェストの成形は完了です。

ベヴェルドウェストの完成です
ベヴェルドウェスト加工をすると、ウェスト部の細さが分かりやすいアングルの写真を撮りたくなります。靴好きを惹き付ける「何か」があるのでしょう。
早く靴底を染めて半カラスになったフィドルバックとの相性を見たいところですが、グッと我慢して次はヒールの取り付け作業です。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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