ヤンコ YANKO パンチドキャップトゥ DIYオールソール修理6 コバ仕上げ編

熱ゴテ終了
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ヤンコ YANKO パンチドキャップトゥ DIYオールソール修理6 コバ仕上げ編

革の肌理を整えてから、しっかりと染色しロウを浸透させることでコバを仕上げます。靴を履いている状態での見栄えを「支える」大事な、そして楽しい(笑)工程の様子です。

全体のコバ面を磨いて仕上げ

積み上げの革を水で濡らしてからハンマーで叩いて締めます。強く叩きたいところですが、凸凹にならないように力加減が必要です。

ハンマーでトントン
コンコンコンという音がします

ハンマーの跡が分からなくなって表情が均一になるまで、しっかりと木ヤスリを掛けます。根気のいる作業です。

木ヤスリ
今日のBGMはDeep Purple

前半部のコバも別たちで削った跡をならすように木ヤスリを掛けます。積み上げのように叩き締めていませんので、削り過ぎないように優しく作業するイメージです。

コバも木ヤスリ
できるだけウェルトに触れないように・・・

次は軽く表面を湿らせておいて、小さく割ったガラス板のエッジで表面を削ります。木ヤスリで付けた傷と革の毛羽立ちを取り切るまで、が目安です。

それぞれの工程で「完全に〇〇になるまで」という目標を持つのが大事だと考えています。

ガラス掛け
だいぶん滑らかになってきました

さらに、紙やすりを#120→#240と掛けます。積み上げ革を再利用しましたので少し心配しましたが、色は別として表面の質感は均一に整えることができました。

紙やすり終了
ぼんやりとツヤが出てますね
空ゴテ
イマイチ垢抜けしないコバ形状・・・

トップリフトの化粧釘

釘を打つと削りにくくなりますので、その前にトップリフトのギン面を削っておきます。

「ギンを掻く」という表現も使われますね。作業してみると、言い得て妙だと感じます。

ギン面落とし
キズを付けてしまってますね(汗)

トップリフトを貼る前に積み上げを止めた釘の位置を記録しておきましたので、当たらないように化粧釘の位置を決めて・・・というつもりでしたが、かなり無理がありました。そもそも積み上げの釘をもう少し内側に打たないといけなかったですね。

トップリフトを貼ってからヒールの形状を整えるためにコバ面を削ることも、誤差の要因になっていそうです。

パターン決め
まだまだ工夫が必要です

積み上げの釘を意識しつつ、化粧釘の下穴を開けます。何とか避け切ることができました。

下穴開け
折れそうで怖い

途中まで打ち込んだ真鍮釘をニッパーで切り取り、トップリフトと一緒にやすりで仕上げます。

控えめな化粧釘
控えめな化粧釘も好きです

各部の染色

半カラス仕上げにしますので、このタイミングで本底のギンを掻きます。←使ってみた

底もギン面落とし
優しく削ります

ガラスだけでは表面が微妙に凸凹しますので、#240の紙やすりまで掛けて滑らかに仕上げておきます。

マスキングができたら、インクでの染めです。

マスキング
フィドルバック風にしても良かったかも

インクの蓋に付いているブラシが入りませんので、だし縫いの糸やヒールのアゴは筆を使って作業します。

だし縫いを染める
いつものことながら、少し悲しい作業です

半カラス~

1回目の染め
ここにインクが入ると「終盤だな~」と思います

最近始めた「2度塗り」をするため、染めた箇所に#240の紙やすりをサッと掛けます。

紙やすりで均し
ほんの軽~く

紙やすりで全体がマットになったら、もう一度インクで染め直します。

この段階では2度塗りの効果はイマイチ分かりません。「あとのお楽しみ」なのです。

2回目の染め
後で見ると磨き残しが目立ちますね

いよいよの熱ゴテ

電熱器で柔らかくしたロウを塗り付けておいて、熱いコテで溶かしながらコバに浸透させます。ブライドルレザーのような効果が出ることを期待しています。(さすがに、ブルームは現れないと思いますが・・・)

熱ゴテ中
力を入れずに滑らせるような感じです

半カラスの部分も同じように仕上げます。この部位はロウが浸透しにくいと感じます。革の繊維の方向が原因でしょうか?

半カラスの熱ゴテ
意外に面倒です

最後に温めた布で表面に残ったロウを拭き取ると、奥行きのある黒い(漆黒と言いたいくらいの)コバが現れます。この記事でご紹介してきた、どの作業が抜けても出ない質感だと思います。例によって自己満足ですが(汗)

この後、トゥスチールの取り付けという難関を残していますので、今回はここまでです。

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

拭き上げ
「真っ黒」感が伝わりますでしょうか?

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