スコッチグレイン F-1164 自分で靴修理2「ノルウェージャンウェルトに挑戦」すくい縫い(ウェルト取り付け)

ノルウェージャンウェルト
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今回の挑戦は、いつもと違う「すくい縫い」と2回の「だし縫い」がポイントです。まずは、始めの関門「すくい縫い」のスタートです。

まずウェルト等の下準備をします

ウェルトは通常よりも幅の広いものを使います。すくい縫いの上にくる部分はアッパーに沿わせたいので、あらかじめ斜めに漉いて厚みを調整しておきます。

写真はウェルトの裏側(仕上がり状態で見えない側)で、黒い線がすくい縫いのラインになります。上端(写真左)の厚みは、3/4ミリのイメージ(笑)でやってみました。

ウェルトを漉く様子
両手に無駄な力が入って、プルプルしています

糸と針を用意して、作業開始です。ウェルトは水に浸して柔らかくしておきました。

糸作りと針の取り付けだけで記事が書けるくらいの手間です。コレはこれで楽しい作業ですので、別の機会にご紹介したいです。

すくい縫いに使うモノたち
ワクワクするひと時です

ノルウェージャンウェルトのすくい縫いです

すくい縫いの様子
この辺は、まずまずですね・・・

片足を縫ってみた反省から出てきた気付きは「すくい針をリブテープに直角に刺す」という当たり前のことです。

修理での縫い作業では、機械で開けられた元穴を拾いますので、それに素直に従うのがコツだと思い始めています。見た目にごまかされて針の角度を微調整しようとすると、かえってステッチが乱れることが多いです。

形状が複雑ですので、錯覚を起こしまくっているのだと思います。

すくい針の角度
つま先とかかとが難しいのです

ということで「基準に素直に従う」ことだけを意識して縫ってみました。

縫い上がりの様子
2日に分けたので、かかと側は乾いています

ところが、難しいことになりました・・・

縫い上がったウェルトは、ソールを縫い付けるために外側に折り曲げます。すくい縫いの途中からあったイヤな予感の通り、硬くてキチンと折り曲げられません

少し考えれば分かることなのですが、グッドイヤーウェルト(左)を改造していますので、ウェルトの取り付けが窮屈になっています(中)。これを、かかとや爪先の急カーブに合わせて折り曲げようとするのでウェルトが突っ張ってしまうのです。ハンドソーンウェルトっぽい構造(右)であれば、こんなことは起こらないと思われます。

ウェルト取り付け部の断面図
多分こんな感じだと思います・・・

ウェルトが厚かったのも原因の一つです。少し漉いておくべきでした。

ウェルトを漉くために、全部取り外してやり直すのも 面倒くさい 靴にダメージを与えそうです。

そこで、ウェルトを濡らして柔らかくしてから、押したり叩いたり力を加えることで、何とかソールを取り付けられそうなレベルまで整形してみました。

ウェルトが少し湾曲しているなど、課題は残りますが「中もの」を詰めてミッドソールの取り付けに進みます。次の「だし縫い」も、さらに難しいことになりそうです・・・

最後まで読んで下さいまして、ありがとうございました。

中ものが入った状態
ウェルトが帽子の「つば」みたいです

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