スコッチグレイン 3486 自分で靴修理3「ベヴェルドウェストに挑戦」だし縫い

ウェスト部のだし縫い
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ふとした思い付きで始めた無謀な挑戦は、早くも山場を迎えます。好奇心を頼りに試行錯誤で乗り切る武勇伝(笑)をお楽しみ下さい。

一番難しかったドブ起こしは2通りの方法を試しました

方法1 本底を貼り付けてからドブ起こし

まず片足はいつも通りに貼り付けてみました。

貼り付けた本底はウェストの丸みが強く「別たち」の刃が届きませんので、コバになる部分を見越してギン面側のエッジを削り落としました。この境目からドブ起こしをします。

オルファ(OLFA) 別たち 幅45×高さ160×奥行き19mm 56B
切る、裁つ、そぐ、はがす、削るなど、幅広い用途に使える替刃式皮たちです。 特に革や樹脂シートのカットに。 刃幅43ミリ。
方法その1
だし縫いの位置を基準にドブ起こしの線を引きました

何とか一周、起こし切りました。やはり内側のウェスト部が難しく、結果的にこの部分はかなり厚めになってしまいました。

めくり上げる革を切らないことを優先しました

何とかできたドブ起こし
見ただけで悪戦苦闘が伝わりますね

方法2 ドブ起こししてから本底を貼り付け

と言うことで、残る片足の方は「ドブ起こししてから貼り付ける」方法にすることにしました。

失敗する可能性が高いと思い「まず片方で様子を見る」作戦を取って正解でした。

革が固定されていない難しさはあるものの、凹凸のない本底のドブ起こしは、想像以上に作業しやすかったです。

方法その2
ベヴェルドウェストに限らず、この方法でも良いかも

ドブ起こし済みの本底を貼り付けました。ここでは逆に、起こしたピラピラが叩くと破れそうな気がして、ハンマーでの圧着がやり難かったです。

写真の右側が「先にドブ起こし」版です。

ドブ起こし完了
向かって右の方が苦労が少ない感じが出ていますね

糸の収まる溝(チャネル)を掘れば、だし縫いの準備は完了です。この時点で、先にドブを起こした方は、起こした範囲が少し狭いことに気付きました。

この方法では、

  • 本体の情報をいかに正確に本底に写し取るか
  • その情報をもとに、だし縫いの溝やドブ起こしの範囲をどの様に設計するか

と言った「用意周到さ」が重要であることが分かりました。

チャネル
溝がピラピラのギリギリになりました

いよいよ「だし縫い」です

ウェスト部分はウェルト幅が3ミリ程しかありませんが、幅が狭いことは心配したほどの問題ではありませんでした。

「裂けにくい」という革の特性は素晴らしいと再認識しました。

それよりも、奥まっているのでだし針の角度が制約され、靴底側の溝へ貫通させるのに苦労しました。溝の位置に工夫が要りそうです。

ウェスト部のだし縫い
この部分は約2倍の間隔で縫いました

この工程で考えたことのまとめ

「どのタイミングで、ドブ起こしをやるのか?」について、私が感じたり考えたことをまとめておきます。少し先の工程にも触れていますので、ネタバレの内容も含みます(笑)

方法1 本底貼り付け→ドブ起こし方法2 ドブ起こし→本底貼り付け
ドブ起こしウェスト部分の作業が異常に難しいどの範囲を起こすか?を精度よく決める必要あり
作業そのものは、やり易い
溝掘り現物合わせで溝位置は決めやすい
ドブ起こしの跡が凸凹だと作業しにくい
溝の位置を周到に計画する必要あり
本底の圧着いつも通りに作業可能起こした革があり、叩きにくい
コバの成形ある程度、見込みでの作業が必要現物合わせ的な作業が可能

それぞれの方法でポイントとなる注意点を赤太字で示しました。一長一短ありますが、何と言っても方法1のドブ起こしのリスクは相当なものだと(無理な作業に近い)感じました。

ということで、次回は「ドブ起こしをしてから貼り付ける」方法にしようと思います。

計画の周到さ、作業の精度が求められますが・・・(汗)

どうなることかと思いながら作業を始めましたが、何とか無事にドブを伏せて一段落です。次は、これもイマイチ理解できていない、ベヴェルドウェスト加工です。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

ドブを伏せました
この時点では、まだウェストの細さがハッキリしません

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