スコッチグレイン F-9051 自分でオールソール交換 その5 ヒールの積み上げ

積み上げ完了
この記事は約4分で読めます。

本底が付きましたので、ヒールを形成する作業に移ります。

手製靴と同様の手法で、革を一枚ずつ貼り付けて(積み上げて)行きます。一枚貼り付けるたびに、削ることで色々な調整をして、安定した歩行に重要なヒールを作り上げます。

記事の後半では、ライニングの補修もご紹介しています。

革を積み上げてヒールを形成します

1枚目を貼り付けて、かかとの凸凹を吸収するように平らに削り込みます。

フィドルバックにしてありますので、こんな感じになります。まだ少しだけ丸みが残っていますね。

1枚目はかなり削る
ハチマキを使っても良かったかな~

2枚目は1枚目で残った丸みを修正し、さらに前後の傾斜を調整します。

トップリフトの上に靴を置いて、かかとがピタッとなるように、積み上げ革を削ります。

かかとは少しだけ前傾していますので、前方が薄くなるように削ることになります。

2枚目の傾斜チェック
ピタッとなると気持ち良いです

2枚目の加工が終わったら、全体を木ヤスリで荒らしてから、19ミリの釘で靴本体に固定します。

私の場合、この釘が本底を止めている釘に当たることがあるのですが・・・

積み上げの釘
靴らしくなってきました

少し時間を巻き戻しました。これが、問題の「本底を止めている釘」です。

今回は本底をぎした影響で、釘の間隔が均一ではありません。これを避けるには・・・と、思いついたのが、この目印です。

ちょっとした一手間ですが、単純で確実な方法だと思います。

釘の位置をマーク
必要は発明の母」ですね!

トップリフトで蓋をすれば、ヒールは完成です

なぜか「蓋をする」と言いたくなる、トップリフトの取り付け。

いつものことですが、ツルツルのゴムでは接着剤の効きが悪そうなので、ザラザラになるまで木ヤスリを掛けておきます。

ゴリゴリ削る
面倒ですが大事な作業です

ゴムと革を組み合わせたトップリフトは、左右対称に仕上げたいですので、貼り付ける前に色々と目印を付けておくようにしています。

位置合わせ
目印だらけ・・・

トップリフトを貼り付けたら、ヒール全体のバランスを見ながら、別たちで削り込んで整形します。

これで、積み上げの作業は終了です。次は表面を整えて染色したり・・・という楽しい工程です。

モザイク感・・・
つぎはぎ感あり

その前に、残っていた作業を・・・

トゥスチールの取付け

スチールの座を掘り込んだ時には「イイ感じ」だと思ったのですが、取り付けてみると少しだけ出っ張っています。難しいです・・・

全て仕上がってからトゥスチールを取り付ければ、もう少し精度が上がると思うのですが、だし縫いに傷を付けないようにする方法が思い浮かびません。

トゥスチール
端が出っ張ります(泣)

ライニングの補修

小指が当たる箇所のライニングに穴が開いていますので、革パッチを当てます。

ハギレ革を適当な大きさに切り出してから、周辺をペラペラの薄さになるように漉きます。貼り付けた時に周りとの段差ができないようにするためです。

漉き作業
グラデーションは厚みの違いです

ゴムのりで貼り付けたところです。

もともとは(写真がなくてスミマセン)ライニングに穴があいて表革が見えていました。そのまま履き続けると、表革にも穴が開くことがあるそうです。

おそらく、小指が点で当たっているのが原因ですので、フィッティングを見直すのが本来の対策だと思います。

貼り付け後
位置合わせが難しいです

かかとのライニングも補修が必要ですので、こちらも革を当てます。キンキンに研いだ別たちで漉きまくりです。

すべり革の漉き
何回か研ぎ直しました
オルファ(OLFA) 別たち 幅45×高さ160×奥行き19mm 56B
切る、裁つ、そぐ、はがす、削るなど、幅広い用途に使える替刃式皮たちです。 特に革や樹脂シートのカットに。 刃幅43ミリ。

こちらのライニングにも穴が開いていましたので、革パッチで埋めておきました。

パッチ当て
ぴったり

革の縫い付けが終わりました。

この後、すぐに貼り付けずにシューキーパーを入れて、革をかかとの形に馴染ませておきます。

その待ち時間に、靴底の仕上げ作業に掛かります。フィドルバック+ベヴェルドウェストが、どう仕上がるか?今から楽しみです。

最後までご覧下さいまして、ありがとうございます。

縫い上がり!
蛇行してますね。まだまだ練習が必要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました