スコッチグレインの革靴を自分でオールソール交換 フィドルバックに挑戦! その2 本底貼り付け編

本底貼り付け直前
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スコッチグレインの革靴を自分でオールソール交換 フィドルバックに挑戦! その2 本底貼り付け編

フィドルバックと言えば、ベヴェルドウェストがお約束ですね。ベヴェルドウェストでは、だし縫いの位置が内側に入りますので、貼り付ける前にドブ起こしの範囲を決めて、起こしておくようにしています。このあたりの加工精度を上げる方法を試行錯誤する様子をご覧ください!

まず「魚拓」=本底の型紙を作ります

フィドルバックやベヴェルドウェストを仕立てるためには本底に色々な加工を入れます。それらの加工した部分は、中ものやウェルトの位置にピッタリ合うように貼り付けることが肝心です。

私は現物から型紙を起こして、それを基準に本底の準備をするようにしています。まず、透明の荷造りテープを貼り付けて、ポイントとなる線を描き写します。

形取り中
「透明の革があると面白そう」といつも思います

剥がした荷造りテープをコピー用紙に貼り付ければ、型紙の完成です。

土踏まずの線は外側から順に

  • 元のウェルト外形
  • だし縫いのライン
  • すくい縫い

です。

魚拓完成
もう少し細いペンを使うべきですね(汗)

魚拓の本領発揮!のハズが・・・

いよいよ本底の加工に入ろうとしたところで、準備していたベンズが必要な寸法に対して小さいことに気付きました(汗)

ハギレを継ぎ足して何とかしようかとも思いましたが、凝った作りに挑戦していることもあり、潔く大きい本底革を注文することにしました。

はみ出してる・・・
魚拓がハミ出しています・・・

資材の到着を待つ間に、靴の内部を補修します。

いつものように丸洗いはしましたが、やはり中底の使用感が取り切れないため、中敷きを入れます。こちらも寸足らずですが、これ以上の大きさの中敷き材を持っていませんので、足が触れない捨て寸の付近は諦めることにしました。

中敷きも大き過ぎ
中敷きは大きいサイズが無いので・・・

”捨て寸”という冴えない?名前ですが、履いて歩くという靴の機能に欠かせないものですね。

英語では”toe room”というらしく、こちらの方が働きをうまく表しているように感じます。

カウンターライニングも傷みがありましたので、当て革で補修しました。縫い付けが終わったら、すぐに貼り付けずにシューキーパーを入れて形を馴染ませておきました。

ヒールライニング補修
チクチクと縫います

本底の加工に入ります

本底に魚拓を描き写します

ほどなく「大きな」本底が届きましたので、さっそく魚拓の形を描き写します。

フィドルバック+ベヴェルドウェストと盛り沢山の今回は、特に本底の加工精度が大事ですので、できるだけ正確にトレースするように頑張りました。

穴を開けてマーキング
魚拓の穴を本底に写しているところです

描き写したところです。何となく精度のよいものができそうな気がしてきました(笑)

本底に転写
かかとのスタンプは「特大」です(笑)

外形を切り出します

いよいよ加工に入ります。まずは外形の切り出しです。初めてメキシコ製の革を使いますが、柔らかくて加工しやすいと感じました。

本底の切り出し
靴らしくなりました

先に底側のドブ起こしをします

土踏まずの加工をする前にドブ起こしをすることにしました。革の厚みが一定の状態の方が作業しやすいと考えたからです。

こちら側も魚拓の形状をもとにだし縫い・・・・のラインを想定して、ドブ起こしの範囲を決めます。ウェストを絞りますので、だし縫いのラインの繋がりが悩ましいです・・・

ドブ起こしのライン
う~ん

相変わらず右手が痺れるくらい力が入りますが、何とか無事に起こし切りました。

ドブ起こし完了
疲れる作業です・・・

次に上面?にフィドルバックを仕込みます

土踏まずの厚みを落とすのは予定通りでした。

厚さ5ミリの革を(気持ちは)3.5ミリまで削ります

削っているうちに、フィドルバックの境界線を「パキッ」とさせたくなり、思い付きで意図的に段差を付けてみました。

フィドルバックの準備
さて、どうなりますやら

加工した本底を貼り付けます

ウェルトにもベヴェルドウェストのための準備をしておきます。

土踏まずのウェルトの幅を半分くらいに斜めに切り落とすのですが、この靴の場合はだし縫いの位置がちょうどよい目安になりました。

ウェルトを細く
もったいない気もするのですが・・・

加工済みの本底は接着する部位を木ヤスリで荒らしておきます。

私は前半部の中央は接着しません。最初に靴修理を教わった時には「通気性を保つため」とのことでしたが、どうなのでしょうね?

接着面の荒らし
細工を入れた本底は、なぜかウレシイ(笑)

ゴムのりを塗った本底は、貼り付ける直前に底面を水で濡らして曲げ伸ばしすることで柔らかくしておきます。

本底を圧着するために叩く時に、ドブ起こしのピラピラが破れそうな気がしましたので、周辺部はなるべく濡らさないようにしました。

水で濡らして
いつも散らかっててスミマセン

ということで、貼り付け完了です。

フィドルバックの形は出ましたが、まだシャープさが足りないですね。ベヴェルドウェストの加工をする時に、バランスを見ながら角を出すことができないか、試行錯誤してみようと思います。

次は、心躍る(笑)だし縫いの工程に移ります。土踏まずをうまく縫えるか、今からワクワクです。

今回も最後までご覧下さいまして、ありがとうございました。

貼り付け完了
土踏まずの「エラ」の大きさは?

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